和歌山市内の小中学生による海の環境学習発表会「わかやま海洋サミット」を開催しました。

<わかやま海洋サミット 概要>
日時:2022年3月20日(日)14時00分~16時30分
会場:和歌山城ホール 1階展示室

参加校:
・和歌浦小学校エコエコクラブ
・和歌浦小学校3年生
・和歌山大学教育学部附属小学校5-6年生(複式学級)
・近畿大学附属和歌山中学校
・学生団体 Seaguards(海洋漂着物問題に取り組む大学生チーム)

参加者数:子供55名、大人77名、計132名

共催:一般社団法人 加太・友ヶ島環境戦略研究会、NPO法人 わかやま環境ネットワーク

協賛:一般財団法人 和歌山環境保全公社

協力:和歌山市、花王株式会社

わかやま海洋サミットは、子供たちがこれまで取り組んできた海の環境問題に関する学習内容を発表するとともに他校の取り組みを聴くことにより、様々な海洋環境問題に対する理解を深めために開催されました。また、活動内容を多くの市民に伝えることにより、少しでも多くの人が環境問題に対して興味を持ち、問題解決に向けて行動を起こし、持続可能な海社会を実現するための機会となることを目的として開催されました。

<参加校の発表内容>

・和歌浦小学校エコエコクラブ

タイトル:うみわかまもるプロジェクトとの繋がりから作成した紙芝居、およびビーチクリーンで学び、感じたことをもとに取り組み始めた活動についての発表

うみわかまもるの誕生&活動ストーリー「ダークまもる編」の紙芝居を作成し、発表してくれました。また発表後はうみわかまもるTシャツの紹介もしてくれました。紙芝居の内容はとても心に響くもので「自然に戻らないごみを出しているのは人間だけ」、「1人の100歩より、みんなの1歩」という言葉に改めて環境問題について考える気づきをもらいました。

うみわかまもるTシャツ

・和歌浦小学校3年生

タイトル:和歌の浦干潟での学習やアサリ減少の原因の一つであるツメタガイについての発表

和歌の浦干潟での学習やアサリ減少の原因の1つと考えられているツメタガイについてパワーポイントを使って発表してくれました。3択クイズ形式で学習した内容が発表され、見る人も一緒に考えられるよう工夫されており、楽しく学ぶことができました。また、ツメタガイの産卵数など、かなり専門的な内容もあり、とても勉強になる発表でした。

・雑賀小学校4年生

タイトル:海や川で学んだことや海洋ごみ問題に関する学習内容についての発表

海について1年間に体験や学習したことを発表してくれました。和歌浦干潟での生き物調べ、地曳き網体験、遊覧船に乗ったことやしらすを食べたこと、市役所とパートナーシップを組んだこと、友ヶ島でのゴミ拾い、川上村の森と水の源流館での学習、そして、海洋ごみ問題を解決するためのポスター作りやごみ拾いイベントまで、1年間とは思えないほど多くの体験・学習をしてきたことに驚きました。実際に自分たちの目で見たことを発表してくれたので、聴いている側も海の様子がとてもよく分かり、目に浮かべることができました。

・和歌山大学教育学部附属小学校5-6年生

タイトル:様々な人と協働しながら、「友ヶ島にごみが流れ着かないようにするにはどうすればよいか」について1年間考え続けた内容についての発表

友ヶ島のごみ問題について学び、各家庭での活動だけではなく、ペットボトルキャップの回収、YouTubeを活用した情報発信、また他の学校や団体との交流から、ガマンではなく愉しくSDGsや3Rに取り組むことの大切さについて発表してくれました。リレートークでは「“伝えるではなく伝わる”がキーワードであり、そのために考えつつ、伝えられるように行動するのが大事だ」とまとめられ、子供たちの意識の高さに驚くとともに、私たちseaguardsも負けていられない!という想いになりました。

・近畿大学附属和歌山中学校

タイトル:ふるさとの素敵な海を守るため、「今」わたしたちにできることを「ともに」「笑顔」で、について発表

プラスチックゴミの量などに関するクイズやマイクロプラスチック回収の試作品の紹介、自分たちで制作した歌の披露など、様々発表が盛り込まれており、多様な人々の行動を変えようという想いがとてもよく伝わってきました。また、SDGsとはSustainable Development Goalsではなく、Smile Development Goalsであり、笑顔で環境問題に取り組んでいきたいという考えを発表してくれ、最後は3Dプリンターで制作したSMILEメダル参加各学校に2個ずつプレゼントし、会場を笑顔にしてくれました。

・学生団体Seaguards

タイトル:友ヶ島を拠点とした調査研究および海ゴミ×アートイベント「MIGO」の活動についての発表

Seaguards代表の岡田さんが、友ヶ島での調査研究や海ごみとアートを融合させて「MIGO」の活動について発表しました。岡田さんは小学生の頃、海が汚れているのは海で悪いことをする人たちのせいだ!と思っていたエピソードを紹介し、会場にいる子供に寄り添う形で発表を進めていました。そして、最後には「海ごみ問題は誰もが被害者であり、加害者」というメッセージを会場にいる人たちに伝えてくれました。そして、「私たちseaguardsは、少しでも多くの人の行動を変えるきっかけを作ることが団体の使命である」と力強く語り、子供たちも真剣に聴いていました。

・一般社団法人 加太・友ヶ島環境戦略研究会 平井

すべての発表が終わり、主催団体の1つである(一社)加太・友ヶ島環境戦略研究会の平井さんから発表会の振り返りがありました。平井さんは、友ヶ島を構成する4つの島のうち「地ノ島」に渡った際の動画を見せてくださり、砂浜が海ごみで埋まってしまい、浜辺を歩く足音がプラスチックを踏む音しか聞こえない状況についての説明があました。海ごみ問題の深刻さと課題解決へ取り組むことの重要性を再認識しました。一方、今日各学校の発表にあったように海にはたくさん問題があるけれど、それ以上に素晴らしいことや楽しいこともあるということをお話され、ぜひみんなで楽しい海にしていこうというメッセージを発信されていました。

最後に、会場には多くの保護者の方をはじめ、一般の市民の方も参加してくださっていました。会場内には近大附属中の生徒が作成したゴミのモザイクアートが展示され、他校の生徒たちも含め、多くの方々が興味深く見ていました。

今回で2度目となるわかやま海洋サミットは、おかげさまで無事に成功させることができました。来年度は第3回目のサミットが開催できるよう、各学校と連携しながら、海洋環境問題について学びを深めるとともに、持続可能な海社会を実現するためにも、加太・友ヶ島環境戦略研究会とともに、私たちseaguardsも様々な活動を実施していきたいと思います。

一般社団法人加太・友ヶ島環境戦略研究会の活動の一部は、地球環境基金助成金を受けて行っております。

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