“加太・友ヶ島”にて「森・川・里・海」と海洋ごみ問題を考える2日間 ①

(文責:益田次朗)

2022.11.26〜11.27に、一般社団法人加太・友ヶ島環境戦略研究会(KATIES)と加太観光協会の共催で、エコツアーを行いました。このエコツアーは、環境省事業 令和4年度「令和の里海づくり」モデル事業の一環で実施しました。
『“加太・友ヶ島”にて「森・川・里・海」と海洋ゴミ問題を考える2日間』と銘打ったこのツアー。企画をしていくうちに今まで知り得なかった豊富な地域資源、解決すべき地域課題を目の当たりにすることとなりました。

ツアー内では加太・友ヶ島の「陽」と「陰」に分けて語りました。「陰」を解決し、「陽」をアピールすべく私たちは活動し続けています。

■『陽』(の一部…)
【万葉集にも詠まれた美しい景色】万葉の時代から潟見の浦と詠まれていた景勝地であり、その景色はその頃のままです。
【美しい森】加太の人たちは2007年より紫陽花の植樹を行い、2023年に2月18日に10,000本に達しました。また豊かな森を保つ為、陽が入りやすいよう受光間伐なども行っています。それにより木の実や草が沢山なります。野生動物が住み着き、排泄物を落とし、落ち葉が腐食することなどにより土にもミネラル等の豊富な栄養分を蓄えます。
【海の多様な生物】大阪湾の藻場全体の23%が加太・友ヶ島に集中しており、その密度はダントツ。藻場の磯焼けは確認されていません。地元漁師はシラスなどの小魚は獲らない、地曳網などは生態バランスを崩すため行わない、鯛の一本釣りに代表されるように、漁場を荒らさない持続可能な漁業を今もずっと続けています。
【豊富な観光資源】第三砲台跡、子午線、タカノス山から一望する大阪湾、和歌山県の朝日・夕陽100選、加太で水揚げした新鮮な海鮮料理、淡嶋神社、森林公園、高森山、四国山の山歩きなどなど。

■『陰』
【海洋ごみ問題・海洋プラスチック問題】
自然海岸の割合がごく限られた大阪湾において、周辺海域の潮流等も影響し、友ヶ島は大阪湾に流入した海洋ごみの代表的な終着地点になっています。また、外洋からのごみも沢山漂着します。友ヶ島という無人島に観光で渡る人はとても多いですが、海岸にごみを捨てて帰る人はほぼいません。それなのにここには、我々の日常生活で見るごみも沢山。

では、何故海にごみが流れ込むこと、回収不可能になること、それがそんなにいけない事なのでしょう。次回の投稿で、それも改めてお伝えしたいと思います。KATIESとしても学びがとても多く、今後の大阪湾流域を始めとする海洋ごみ問題、及び海洋プラスチック問題の啓発活動において実りがあるものでした。和歌山市加太・友ヶ島という決して広くはない地域に、令和に生きる我々が考え解決しなければならないテーマが凝縮されて詰まっています。その濃度がとても濃いです。

ご参加頂く方、のみならず広く流域圏住民の問題意識啓発のため、“どうすれば伝えられるだろうか”と今も考える日々です。

(一社)加太・友ヶ島環境戦略研究会 益田次朗

一般社団法人加太・友ヶ島環境戦略研究会の活動の一部は、地球環境基金助成金を受けて行っております。

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